パール・バックの文章
■今日の文章
「いよいよ生まれるのだ」と彼女は言った。
「私は家に帰ります。私が呼ぶまで部屋へ入らねえでください。
新しく皮をむいた葦をするどく切って持ってきてください。
それでへその緒を切りますだ。」
彼女はなんでもないように畑を横ぎって家のほうへ向って行った。
それを見送ってから、彼は向うの畑にある池のへりに行って、
細い緑の葦を選んでたんねんに皮をむき、鎌でするどく切った。
■読後ノオト(これは解説ではありません)
何ということもない一節なのですが、偏見なしとお断りしますが、
彼女が「骨太」と言われる逞しい表現力を備えた作家だった証です。
はじめて「大地」を読んだ頃、もちろん男女の違いも本当のところ
分らない年頃でしたが、まさかこの小説を女性が書いたとは
全く意識しませんでした。
もちろん、この文章の書き手はパール・バックです。


