「断腸亭日乗」から 永井荷風
■今日の文章
余は五、六歩横町に進入りしが洋人の家の樫の木と余が庭の椎の大木
炎々として燃上り黒烟風に渦巻き吹つけ来るに辟易し、近づきて家屋
の焼け倒るるを見定めること能わず。
唯火焔の更に一段烈しく空に上るを見たるのみ。
これ偏奇館楼上少からぬ蔵書の一時に燃るがためと知られたり。
■読後ノオト(これは解説ではありません)
これは「断腸亭日乗」からの引用です。
この人の文章のなんとも言えない語り口はやはり名文なのでしょう。
もちろん、「断腸亭日乗」と言えば、永井荷風です。


