芸術は爆発だ! 岡本太郎の文章
■今日の文章
いつも読書をしながら、一種の絶望感をおぼえる。
確かに面白い。対決もある。だが眼と頭だけの格闘はやはり空しい。
人生はまたたく間もないほど短いのである。
ハイデッガー、ヤスパース、サルトルにしても、実存を説きながら、
なんであのようにながんがと証明しなければならないのか?
その間に絶対の時間が失われてしまう。
サルトルに言ったことがある。
「あなたの説には共感するが、あのびっしりと息もつまるほど
組み込まれた活字のボリューム。あれを読んでいる間、いったい
人は実存しているだろうか。」
彼は奇妙な顔をして私を観かえした。
私はいま生きているこの瞬間、全空間に向って、八方に精神と肉体を
飛び散らしたい。
■読後ノオト(これは解説ではありません)
芸術界の武闘派?
岡本太郎という人の文章は強い印象を与えます。
彼の問いかけも、サルトルには唐突過ぎて、何のことか分らなかった
かもしれない。
失われた時をもとめて、コルク部屋に閉じこもり、文筆を選ぶ人を
生んだ国にサルトルは生まれた。
サルトルにとって、エクリチュールは実存そのものだったに違いない。
そういう彼にとって、岡本太郎の主張が分る訳はない。
しかし、そんなことはどうでも良いでしょう。
別の角度から光を当てれば、岡本太郎の主張を心地良く受取る人も
大勢おいでになることでしょう。


