西鶴、大晦日を語る 井原西鶴の文章
■今日の文章
世の定めとて大晦日は闇なる事、天の岩戸の神代このかた、
しれたる事なるに、
人みな常に渡世を油断して、毎年ひとつの胸算用ちがひ、
節季を仕廻かね迷惑するは、面々覚悟あしき故なり。
一日千金に替えがたし。
銭銀なくては越れざる冬と春との峠、是借銭の山高ふして
のぼり兼たるほだし。
■読後ノオト(これは解説ではありません)
最後の「ほだし」とは、人の心や行動の自由を縛るもの、
自由をさまたげるもの、手かせや足かせ、という意味です。
字面だけ追うと分りにくいかもしれませんが、ここはやはり
声を出してお読みください。
細かいことは気にせずに、語気というかテンポというか、
それを感じることで、西鶴を味わってみて下さい。
西鶴の凄さは、そういう安易な読み方でも味わえる点であると
思うのは自分だけでしょうか?


