フランス文学きっての短編の名手登場 モーパッサン
■今日の文章
彼女は自分と夫のあいだに何かしら1つの幕を、何か1つの障害物を
感じていた。
二人の人間が決して魂までは、心の奥底までは、たがいにはいりこむ
ものではないということに、生れて初めて、気がついたのである。
ならんで歩くものであり、ときどきからみ合うことはあっても決して
溶け合うものではない、人間めいめいの精神的存在は永久に、一生涯
孤独のままであるということに、気づいたのである。
■読後ノオト
(これは解説ではありません)
短編の名手である。
学生の頃は少し退屈だったけれど、今頃になって読み直してみると
大変面白い。
上手さが際立っている、と感じるのは個人的な感傷だろうか?
そんなことはないだろう。
この文章はモーパッサンの「女の一生」から取りました。


