名探偵の推理力 コナン・ドイル
■今日の文章
ここに医者らしいタイプの紳士がいる。だが、どことなく軍人風のところ
もある。だから軍医にちがいない。
顔はまっくろだが、手首が白いところを見ると生まれつき黒い訳じゃない。
とすれば、熱帯地方から帰ったばかりだということになる。
顔のやつれているのを見れば、だいぶ苦労した上に病気までしたことがわ
かる。左手にけがもしている。動きがこわばってぎこちないからだ。
イギリスの軍医がこんな苦労をした上に、けがまでした熱帯地方というのは
どこだろう。
いうまでもなくアフガニスタンだ。これだけつづけて考えるのに、一秒も
かからなかった。
■読後ノオト(これは解説ではありません)
一体にこの文章は何だろう?と感じられた方も多いかもしれない。ヒントは
最後の1行にある。
語り手はたった1分で目の前にいる人物の素性を推理しているのだ。そう
これがかの名探偵シャーロック・ホームズの推理力なのだ。
という訳で、この文章を書いているのは、もちろん作者のコナン・ドイルです。


