李商隠 「夜雨 北に寄す」
■今日の文章
夜雨 北に寄す
君は帰期を問うも 未だ期有らず。
巴山(はざん)の夜雨 秋池に漲(みなぎ)る
何か当に共に 西窓の燭を剪(き)って
却(さて)しも話すべき 巴山夜雨の時を
■読後ノオト(これは解説ではありません)
久しぶりに漢詩を選びました。唐詩選に選ばれている李商隠の
「夜雨 北に寄す」です。
意味は以下のような内容です。人生は不遇でしたが、この詩は
現代を生きる日本人の私たちのところまで伝わりましたね。
「いつお帰りになりますの」とのお尋ねですが、まだいつ帰れる
とも見込みは立ちません。
今、この巴山の麓には秋の長雨がシトシトと夜も降り続け、池に
は水が漲っています。
いつか、あなたと一緒に西向きの窓辺で蝋燭の芯を切りながら話し
合える時が来たならば、その時こそ、いまこの巴山に降る夜の雨を
見ながら、私が何を思っているか話してあげましょう。
「北」とは妻のことを指します。とても素敵な詩であると思います。


