エンツェンスベルガーの『政治と犯罪』
■今日の文章
アイヒマンを診断したイスラエルの精神病医は、アイヒマンは
「まったく正常な人間であって、彼を診断したあとの私自身よ
りも、かえって正常なのではないかという気がするくらいだ」
と、いっている。
別の研究者はアイヒマンを、模範的な家庭の父とみなしている。
アイヒマンは主として公文書や輸送計画た統計にたずさわって
いたのだが、それでもなお、犠牲者達を自分の目で見る機会が
あった。
最後の世界大戦を現に立案している者たちは、もはや犠牲者たち
を見ることもないだろう。
注:アイヒマンとは、元ナチス親衛隊中佐で、ユダヤ人虐殺の
実行者として裁かれた人物です。


