二葉亭四迷 「くたばって死ね」と言われた男
「くたばって死ね」と言われた男
■今日の文章■
誠に人生は夢の如しといふうちにも、小生の一生の如きは夢よりも
果敢なくあわれなるものなるべし。
かくして空想に入りて一生を流浪の間に空過し、死して自らも益せ
ず、唯妻子を路頭に迷わすのみにてはあまりに情けなく候へど、こ
れも持ったが病やむを得ず候。
■解説
小説を書くなんてことは絵空ごとを昼夜問わず考えているボンクラの
やることと思われていた時代に、この人は小説を書いていた。
散文のはしりのような、語り口の良い文章がまだ珍しい時代の文章で
です。そう思って読んでみて下さい。。
今、こうして読んでみると、想像もできない既成概念の中を生きてい
る不思議さが妙に面白い。
これを書いたのは、もちろん、二葉亭四迷でです。


