菊池寛 生活第一、芸術第二
生活第一、芸術第二
■今日の文章
芸術のみかくれて、人生に呼びかけない作家は、象牙の塔に
かくれて、銀の笛を吹いているようなものだ。
それは十九世紀ころの芸術家の風俗だが、まだそんな風な
ポーズを欣んでいる人が多い。
文芸は経国の大事、私はそんな風に考えたい。
生活第一、芸術第二。
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■解説
私はこの文章を書いた作家が好きです。
それは私の好みでしかないが、女子供を喜ばす小説如きと
思われた時代に、純粋な芸術として象牙の塔にこもることなく
むしろ一歩進んで積極的にエンターテイメントを追求した
レアリスト。
文芸春秋を商業ベースで成功させ、芥川賞・直木賞などを
創設し、現実的な意味で文芸をひとつのジャンルとして
成立させたと思います。
「恩讐の彼方に」なんて、芸術性が欠けるとかなんとか
言うけれど、実際に読んでみうると、実際にはとても面白い。
この文章は、菊池寛がかいたものです。


