J.A.シュンペーター 資本主義はその成功によって滅ぶ?
資本主義はその成功によって滅ぶ?
社会主義が正統派社会主義者達の夢見ている文明の出現すると
信ずべき理由はほとんどない。
ファシストの特徴が現われる可能性の方がむしと大きい。
それはマルクスの念仏を唱える人々にとっては予想外の回答である
に違いない。
けれども歴史は時々たちの悪い戯れに耽るものなのである。
これは少し難しいかもしれない。20世紀を代表する理論経済学者の
J.A.シュンペーターにようる文章である。
「資本論」の書いたマルクスは、「資本主義がその失敗」によって、
社会主義に移行する、と考えた。
その根拠は以下の3点にある。
1.資本主義は労働者の窮乏状態を拡大させる
2.資本主義は恐慌などの経済的危機を生み出す
3.資本蓄積は利潤率をますます低下させる
それに対して、発展し豊かになった資本主義を経験したシュンペーター
は、「資本主義はその成功によって滅ぶ」と発言し、その理由を以下の
ように指摘した。
1.資本主義的企業が個人の企業家精神に支えられるものから大組織
になり,企業家のイノベーション活動すらそのうちに統合されるように
なる 。
2.資本主義の繁栄が生み出した知識人や若者が反資本主義的な価値
観をもちはじめる。
3.私有財産の社会化に頑強に反対する自営業や中小企業主たちがま
すます減少するということである。
こうしたシュンペーター自身の考え方を予備知識として本日の文章をお読
みになると、理解が変わることが分かるでしょう。


