スタインベック 土のにおいがする
土のにおいがする。
■今日の文章
壁を作り、家を建て、ダムを建設し、そして壁、家、ダムのなかに、
そこばくの人間自身をそそぎこむこと、そして人間自身に、壁、家、
ダムの力をそこばくでも取り入れること、その建設からたくましい
筋肉を得、その構想から明瞭な線と形を獲得すること。
なぜなら、人間は、この宇宙における、有機物、無機物を問わず、
ほかのどんなものとも違って、自分の創り出すものを超えて成長し、
自分の考えの階段を踏みのぼり、自分のなしとげたもののかなたに
たちあらわれるものだからだ。
■解説
「そこばく」という言葉が目に付きますね。「そこばく」を漢字で
書くと「若干」(じゃっかん)と書きます。
意味は「いくらか」というような意味です。英語ならsomeかなー。
これも超がつくぐらい有名な小説の一節。これを読んで感じるのは
泥臭い力強さ。
こういう小説は、ヨーロッパにもロシアにもあまり記憶がない。
後講釈なら何とでも言えるんですけどね。
この文章はスタインベックの「怒りのぶどう」からの引用です。
でも、この内容は気に入ってます。人間の逞しさを謳い上げています
からね。さすがノーベル賞作家です。


