三木清 偶然のものが必然の、必然のものが偶然の?
偶然のものが必然の、必然のものが偶然の?
■今日の文章
人生においては何事も偶然である。しかしまた人生においては何事
も必然である。
このような人生を我々は運命と称している。
もし一切が必然であるなら運命というものは考えられないであろう。
だがもし一切が偶然であるなら運命というものはまた考えられない
であろう。
偶然のものが必然の、必然のものが偶然の意味をもっている故に、
人生は運命なのである。
■解説
この人は何も理屈を捏ね回してる訳ではない。私はこの人の著作を
高校生の時に随分と読んだものである。
細身で神経質そうな新進気鋭の哲学者のイメージを持っていた。し
かしこの人の生涯は、非常に過酷なものだった。
文章はご覧の通り、明晰な文章を書いた。だから高校生ぐらいでも
まだ理解できたと言える。
わが国の歴史の中でも特に悪法として伝わる「治安維持法違反」に
より検挙され、48歳で獄死した。
この人の名は、三木清という。


